定例会開催報告 第62回「介護力不足と不安を乗り越え在宅復帰を実現したケース」
今年度から幹事の仲間入りした桑田 賢一です。
平成30年11月19日(月)に開催した第62回西いぶり在宅ケア連絡会の報告を致します。今回は第3回伊達市多職種勉強会との共催とういこともあり、伊達市黄金地区コミュニケーションセンターはまなす館を会場に開催されました。
44名の参加者(スタッフ含む)でしたが伊達市内の事業所の方が多く、室蘭・登別の関係者は少なめでした・・・
今回のテーマは「介護力不足と不安を乗り越えて在宅復帰を実現したケース~仕事と介護の両立支援~」というテーマで全国的にも問題となっている介護離職についても触れられた事例であった。
最初にひじり在宅クリニックの岡本拓也医師から訪問診療医師として関わる中での、本人、妻、ケアマネの思いの変遷や葛藤についてのお話の後、事例提供者である居宅支援事業所ともあれ 吉田智彦ケアマネと本人の妻から、出会い・サービス調整の苦労・地域への希望・退院から今日までの気持ちの変化などわかりやすく説明があった。
住環境の問題や介護者である妻が夜勤をしていたこともあり、退院後の自宅での生活は「無理だ!!無謀だ!!」と周囲から反対されていたが、入院中に感情を失いかけていた夫を2人の時間を長く持つことで「夫らしくなるのではないか」という妻の強い思いで始まった在宅生活。そして、その思いを叶えたいという吉田ケアマネを中心とした、関係者のチーム力とインフォーマルサービス、あらゆる制度の有効活用した事により「夫らしさ」を取り戻すことができた事例であった。
その後のグループワークでは、本人、妻、関係者への称賛の意見や夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時訪問型訪問介護のニーズを把握し行政も巻き込み事業化できないか、介護者が就労する職場の介護に対する理解が重要、ボランティアなどの地域ネットワークの活用など、多くの建設的な意見もあり参加者の心揺さぶれる事例であったことが証明される結果となった。
最後に岡本先生より、この事例を通して「夫らしさを取り戻すため、諦めなくていいんだよ」ということに気付かされたとお言葉があり、我々がさまざまな支援をしていく中で限界を作ってしまったり、何もせず諦めたりすることは多々ある、諦める前に工夫や挑戦することの大切さに気付かされた伊達の夜になった。