定例会開催報告 第67回「独居高齢者の在宅看取りを考える」

2019-11-25

今年最後の定例会の報告をさせていただく、当会幹事の桑田 賢一です。

 

令和元年11月11日(月)に開催した第67回西いぶり在宅ケア連絡会の報告を致します。昨年同様、伊達市多職種勉強会との共催ということもあり、伊達市市民活動センターを会場に開催されました。伊達・室蘭・登別より50名の参加者でした。以下、当日の様子です。

 

 

 

今回は「独居高齢者の在宅看取りを考える」というテーマで、それぞれの地域で今後増えていく独居高齢者の在宅看取りの可能性について話しあう機会となった 。

事例提供者である豊浦町にある訪問看護ステーション「そう」所長 佐々木智江氏から、本人の病状や経緯について説明があり会場にいた誰もが「独居では無理じゃないか」という雰囲気があった。

しかし、※BSC を選択された時点で本人の意思確認を行った際、「入院は絶対したくない」「危篤の場合も姉妹には連絡してほしくない」「この家で一人で死にたい」と話され最期までその意思は揺らぐことがなかった。子供のように可愛がっていた犬の世話どころか自力でも動けなくなり、生活環境は劣悪になる中で様々な医療処置も行われた。通常は緩和ケア病棟への入院となるが、サービス関係者が本人の気持ちに寄り添い社会資源が少ない中で職域を超えたサービス提供を行い、本人が望む自宅で一人で逝くことができた。

その後のグループワークでは、「過疎地域での社会資源問題は近隣地域や行政との連携が必要」「自分がこのケースを担当したら入院をすすめてしまった」「施設での看取りについて積極的に取り組んでいきたい」などの意見が出ており、この事例を通して自宅での看取りについて見つめ直す機会となった。

最後に佐々木氏から「在宅医療・介護にはマニュアルはない、自分達でその人にあったマニュアルを作っていけばいい」という熱い一言が心に突き刺さった伊達の夜となった。

 

※BSC~「ベスト。サポーティブ・ケア(BSC)とは、がんに対する抗がん剤などの積極的な治療を行わず、症状などを和らげる治療に徹することをいいます」

 

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